保釈とは

保釈とは,条件付で被告人の身柄拘束を暫定的に解く制度です。
保釈には、保証金(いわゆる保釈金)等の納付が条件となります。

ただ,被告人が逃亡等を行えば,裁判所は保釈を取り消し,併せて保証金等の没収も行います。
このようなペナルティーを課しておくことで,被告人の身柄の自由を認めつつも,裁判期日への出頭などを確保しています。

保釈の請求権者

勾留さている被告人本人,その弁護人や,法定代理人,補佐人,配偶者,直系の親族,兄弟姉妹であれば,保釈を請求することができます。
同じく勾留されていても被疑者(起訴前)には保釈の請求権は認められていません。つまり,保釈は起訴後の制度となっています。

保釈の種類

保釈には,保釈請求権者の請求があった場合に,法定除外事由に該当しない限り保釈を認めなければならない権利保釈(必要的保釈,法89条)と,請求がない場合や権利保釈の法定除外事由に該当する場合でも,適当とみとめるときに,裁判所が職権で保釈を許すことができる裁量保釈(任意的保釈,法90条),その他,勾留による拘禁が不当に長くなった場合に,勾留を取り消さない限り,保釈請求権者の請求により,又は職権で保釈を許さなければならない義務的保釈(法91条)の3種類があります。

権利保釈の法定除外事由は,以下の6つです(法89条1号から6号)。

 1.被告人が死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したものであるとき(1号)
 2.被告人が前に死刑又は無期若しくは長期10年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき(2号)
 3.被告人が常習として長期3年以上の懲役又は禁錮にあたる罪を犯したものであるとき(3号)
 4.被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき(4号)
 5.被告人が,被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき(5号)
 6.被告人の氏名又は住所がわからないとき(6号)

保釈の現状

法律上は,保釈請求権者の請求があった場合において,法定除外事由に該当しない限り,保釈を許さなければならないという建て付けとなっていますが,実務上は,権利保釈の法定除外事由の内,4号の罪証隠滅のおそれを理由に,保釈請求は却下されることが多くなっています。

司法統計年報によれば,平成23年中に勾留状を発布された被告人の数は5万8877人(①),平成23年中の保釈請求件数は2万0571件(②),平成23年中に保釈を許可された被告人の数は1万2021人(③)となっています。

単純に上記数字を組み合わせてその割合を見てみると,勾留された被告人の約35%(②2万0571件÷①5万8877人)が保釈請求を行い,保釈請求の約58%(③1万2021人÷②2万0571件)について保釈が認められている結果となります

勾留された被告人の内,約35%しか保釈請求がなされていないのは,保釈保証金の納付という高いハードルが設定されているためでもあります。

保釈請求の約58%について保釈が認められており,数年前に比べればその割合は高くなってきているといえますが,被告人の「権利」としての保釈が認めれているとはまだまだいえない現状となっています。

保釈保証金

保釈が許可される場合には,必ず保証金額が定められ,被告人が保釈されるにはこの保証金を納付しなければなりません(法93条1項)。

保証金額は,犯罪の性質及び情状,証拠の証明力並びに被告人の正確及び資産を考慮して,被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額でなければなりません(法93条2項)。
保釈金の相場としては,150万円,200万円といわれることもありますが,保証金額はこれらの事情により大きく左右されることになります。

保証金は,被告人の逃亡防止,裁判への出頭確保などのいわば身代金であり,被告人が逃亡したり,正当な理由もなく裁判期日に出頭しないといったことがなければ,没収されることはありません
没収されることなく,第1審で無罪,執行猶予,或いは実刑判決の言渡しなどを受けたときなどに保証金の還付を受けることができます。

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